はじめに


ご自宅の不動産を売却した後、税金の支払いに何か手続きが必要なのでは?と気になったことがある方も多いかもしれません。

また、確定申告をすることで税金が控除されると聞いたことがある方もいらっしゃることでしょう。


ここでは、ご自宅等の不動産売却後の確定申告の手続きを必要書類や順序等踏まえ、解説していきたいと思います。

  1. 不動産売却後の確定申告?なぜ必要なの?

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    そもそもなぜ不動産を売却した際に確定申告が必要となるのか?

    まずはここから解説していきたいと思います。


    個人事業主の方などには聞き馴染みのある言葉だと思いますが、サラリーマンの方では言葉は知っていても実際に行ったことがないという方も多いかもしれません。

    中にはふるさと納税や医療費還付等の手続きのため過去に一度だけ確定申告を行ったことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?


    聞き馴染みがなくなんだか小難しそうな言葉であるため敬遠されがちになってしまいますが、仕組みや方法は至ってシンプルです。


    サラリーマンなど、一般的な給与所得者は個人が負担すべき所得税や住民税を会社が給料から天引きして納めています。

    額面と手取りで収入に金額差があったり、源泉徴収票が発行されたりするのはこれに関連しています。


    会社から毎月振り込まれる給料の金額を収入と認識しがちですが、実際は既に税金を差し引かれた所得としてお金が入ってきている形になります。

    一方、個人事業主など自分で何か事業を行っていたりすると、相手方から受け取る売り上げ金額がそのまま自分の収入として入ってきます。

    この時税金は一切差し引かれていません。


    そこから自分の事業のために支出したものを経費として計算し、差し引くことで実際の利益=所得を算出します。

    1年間のこうした営業活動の収支を計算した最終的な所得を基に、納めるべき税金を計算し、税務署に届けることを確定申告といいます。



    不動産を売却した際もこれと同じような形になります。


    より具体的に言うと、不動産を売却した際に得た【利益】は譲渡所得として、サラリーマンの給料等の給与所得とは分離して課税されます。

    そのため会社から支払われる給料に関しては税金を納めているが、不動産を売却して得た所得に関しては自分で計算を行い税金を納める必要があり、そのために確定申告を行う形になるのです。


    以下により具体的に確定申告が必要なケースを解説していきます。

    1. 不動産売却後の確定申告が必要な人・不要な人

      不動産を売却した後、その全員に確定申告が義務付けられるという訳ではありません。

      「家を売った際の数千万円の収入が一時的に増えた分に対して課税されないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、実はそうではありません。



      ここでポイントとなるのは、売却した際に【利益】が発生した場合という点です。


      裏を返せばもし不動産を売却した際に【損失】が発生してしまった場合には確定申告をする義務は生じません。

      ※プラスマイナス0で利益も損失も発生していないという場合も確定申告をする必要はありません。


      確定申告が必要か否かのポイント →不動産売却時に売却益が発生しているか?否か?

      発生している=確定申告が必要

      発生していない(or損失が出た)=確定申告は不要

      という形に整理できます。


      なお、不動産売却益は売却価格-購入価格の差額分ではなく、購入時や売却時に支払った諸費用も経費として差し引いた後で残ったものを指します。

      不動産売却益(譲渡所得)=売却価格-(取得費+譲渡費用)

      ※取得費=不動産の購入時の価格や、その際に支払った諸費用等

      ※譲渡費用=売却した際に発生した諸費用


      譲渡所得に関してより詳細に知りたい人は以下の記事もご参照ください。

      不動産売却に関する税金について



      なお、売却時に損失が発生してしまった場合でも、確定申告をすることで税金の還付を受けられる可能性もあるため、確定申告を行う義務はありませんが、行っておくに越したことはないでしょう。 続いて、確定申告を行う際に必要となる書類を解説していきます。


    2. 確定申告が必要なタイミングと提出先

      では次に確定申告を行うタイミングと申告書の提出先についてです。

      過去に何かしらの税金の還付を受けるために確定申告を行ったことがある方であれば、大まかに覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?



      まず、確定申告を行うタイミングとしては【不動産を売却した年の翌年】に行う形になります。

      例年2月中旬~3月中旬が申請及び所得税の納付期日となるため、この時までに必要書類の用意と申告書の作成を行いましょう。

      ※細かな日程は毎年微妙に異なるため確認が必要です。シーズンが近づくとネットで【確定申告 期限】等で検索すればすぐに出てきます。



      確定申告書類の提出先としては最寄りの税務署窓口となります。

      例年確定申告の時期になると非常に混み合うため、早めに準備を行う・電子申告(e-tax)や郵送等も行うと便利です。

      郵送の際も書類が期日内に届くように注意しましょう。


      なお、電子申告にはマイナンバーカードが必要となりますので注意しましょう。


      確定申告の際は必要書類に専門的な用語も多く、知識がないとなかなか一人で作成することは難しいですが、電子申告を用いると表示された質問に回答していく形で自動的に書類を作成dき、税額などの計算も行ってくれます。



      続いて、確定申告の際に用意する書類をご紹介していきます。

      特に不動産売却後の確定申告では、必要となる書類も多いため早めに確認しておきましょう。

  2. 不動産売却後の確定申告時に必要な書類について

    不動産売却後の確定申告における必要書類としては以下の書類が挙げられます。


    ①不動産売却時の売買契約書

    ⇒売却価格や日付の証明となります。※コピー可



    ②売却時の仲介手数料などの領収書

    ⇒譲渡費用として計上が可能です。収入印紙代や解体、測量など要した際にはそれらの費用も計上可能なため、領収書はなくさないようにしましょう。※こちらもコピー可



    ③登記事項証明書(土地・建物)

    ⇒所有権の移転が正しく行われているか?や地番など基本情報を確認します。直近のものを取得しましょう。



    ④取得時の売買契約書

    ⇒不動産を購入した時の売買契約書です。取得費用を証明するものとなります。※コピー可



    ⑤取得時の諸費用の領収書

    ⇒仲介手数料や不動産取得税・登録免許税・印紙代といった各種税金、登記を司法書士へ依頼した際にはその費用などが含まれます。これらも取得費として計上出来ます。※こちらもコピー可

    ※④・⑤は紛失してしまった際には売却額の5%を概算取得費として計上することも可能です。



    ⑥譲渡所得の内訳書

    ⇒売却金額や取得費、譲渡費用等を記載し、所得を計算するものです。上述の領収書等が必要になるのはこの金額を正確に計算するためです。

    買主・売主、各種費用を支払った業者の名称や住所を記載する箇所もあります。


    ※仮に譲渡時損失が発生した場合には必須の書類ではありません。



    ⑦確定申告書(申告書B+第三表)

    ⇒所得全体をまとめて申告します。第一・第二表に加えて、第三表も記入して提出します。



    (⑧マイナンバーカードや住民票・源泉徴収票等)

    ⇒郵送や窓口での申告時にはマイナンバーカードが必要です。※お持ちでない場合にはマイナンバー記載済みの住民票などで代用可能。

    源泉徴収票を直接提出することはありませんが、サラリーマンの方等は申告書に給与所得の記載欄があるため、手元にあると作成に便利です。



    以上となります。

    確定申告に向けてこれだけ多くの書類が必要となりますが、それぞれ取得できるタイミング等も異なるため、以下にまとめていきます。

    特に物件取得時に発行された契約書や領収書は数年単位で保管が必要になるケースもあるため、無くさないようにしましょう。


    1. 確定申告時に必要な書類の取得のタイミングについて

      上記でご紹介した書類の取得できるタイミングについて以下にまとめてみました。

      それぞれバラバラのタイミングで取得できる形となり、確定申告のタイミング迄数カ月~数年単位で期間が空くケースもあるため、保管などご注意ください。


      なお、大まかなタイミングとしては、①物件取得時②物件売却時(~売却後)③確定申告時に分けられる形になります。

      それぞれ詳しく見てみましょう。



      ①物件取得時に取得できる書類

      ・取得時の売買契約書

      ⇒取得時に利用した仲介業者・売主から発行されます。無くさずに保管をしておきましょう。



      ・取得時の諸費用の領収書

      ⇒仲介業者や司法書士等から発行されます。無くさずに保管しておきましょう。




      ②物件売却時(~売却後)に取得できる書類

      ・売却時の売買契約書

      ⇒売却時(売買契約時)に利用した仲介業者や買主から発行されます。



      ・売却時の仲介手数料などの領収書

      ⇒仲介手数料は仲介業者から発行されます。決算・引き渡しの際に全額の支払いが完了したタイミングで発行されます。

      その他、売却のために支払った諸費用に関しては、各業者から発行されます。

      この辺りは売却する不動産が土地or建物なのか、戸建てorマンションなのかで異なるかと思います。

      発行元もタイミングも異なるので、不動産売却のバタバタのタイミングで紛失してしまうことがないように気を付けましょう。



      ・登記事項証明書

      ⇒売却した不動産の所在地を管轄する法務局の窓口や、オンラインにて取得が可能です。

      ※取得には費用が掛かりますが、詳細な金額は取得方法により異なります。


      また、オンラインで郵送での書類送付を希望した場合など、取得まで要する日数が必要となるため注意しましょう。

      オンラインではアカウント作成なども必要となります。




      ③確定申告のタイミングに併せて取得する書類

      ・譲渡所得の内訳書

      ⇒売却後税務署から送付されます。また、税務署窓口や国税庁のHPからも取得可能です。

      ※e-tax(電子申告)を利用すると、出てくる質問に入力するだけで内訳書を作成してくれます。



      ・確定申告書(申告書B+第三表)

      ⇒こちらも同様に税務署窓口やインターネット上から取得可能です。

      こちらも電子申告を利用すると税額など自動計算が可能で便利です。



      (・マイナンバーカードや源泉徴収票など)

      ⇒必要に応じてお手元に用意しましょう。



      以上となります。

      取得のタイミングが異なるものも多く、また必要になる書類も多いため管理も大変ですが、事前に把握しておくことで余裕を持った申告の準備に繋がるかと思います。

    2. 不動産取得時の契約書や領収書を紛失してしまった場合

      上記の様に、不動産売却後の確定申告の際には、その不動産を取得した際に支払った費用を経費として売却価格から差し引くことが出来ますが、例えば取得したタイミングが何年も前で書類を残していないという事態もあるかと思います。


      そのような際には取得費を証明するものがないため取得費を計上することが出来なくなってしまう訳ではなく、【概算取得費】として費用を算出することが出来ます。

      概算取得費=売却金額の5%

      ※3,000万円で不動産を売却した場合には150万円までを概算取得費として用いることが出来ます。



      なお、仮に実際の取得費がこの売却価格の5%を下回ってしまう場合でも概算取得費を用いて計算することが可能です。

      ただし、実際の費用の方が、上記の5%の金額を上回るケースも多いため、まずは書類を無くさないこと、手元にない場合でも例えば当時仲介を担当してくれた仲介業者が分かれば、過去の取引履歴の分かる契約書の控え等を残していないか問い合わせる等行いましょう。


  3. 確定申告後の手続き

    これまで不動産売却後の確定申告の手続きについて、必要書類や手続きの方法をご紹介しましたが、確定申告後何をすべきなのでしょうか?


    まず、もし不動産売却に伴い所得にプラスが出ていた場合所得税と住民税が発生しますが、所得税は確定申告のタイミングと同じタイミングで納税する形となります。=2月中旬~3月中旬


    なお、支払い方法には複数の手段がありますが、口座振替を指定した場合には4月中旬~下旬頃に指定した口座から引き落としされます。

    他にはクレジット払いやスマホアプリでの決済等も選択できます。


    住民税に関しては、普通徴収特別徴収の2種類の徴収方法があります。


    普通徴収:自営業者等の人が支払う方法の5~6月以降自治体から通知書及び納付書が送られ、年4回(6月・8月・10月・翌1月)に分けて自分で支払う


    特別徴収:サラリーマンなど給与所得者が支払うもの(=毎月の給料から天引きされる形式)があります。


    サラリーマン等給与所得者の方の場合には確定申告時に翌年の住民税の支払い方法を選択できます。

    なお、普通徴収の場合年4回に分けて支払う方法の他、1度にまとめて支払う方法も選択できます



    どちらも住民税の総額に差はありませんが、普通徴収の場合ご自身で忘れずに支払う必要がある点や、毎月の給与から引かれる場合と比べてまとめて支払うため一回の支払金額が大きくなる点等デメリットがあります。


    逆に特別徴収の場合には上記のようなデメリットはないものの、勤務先に給与以外の所得が発生したことが分かってしまうので、自宅を売却したことなどを知られたくない場合等には普通徴収を選択した方が良いでしょう。



    逆に不動産売却時に損失が発生した場合には税金を別途支払う必要はありませんが、一定の条件を満たす場合に確定申告をすることで節税に繋がる場合があります。

    確定申告の結果、税金を支払いすぎている場合等は4月~5月頃に申告時に記入した口座に還付金が振り込まれます。

    還付金がある場合、事前に案内が届きますのでチェックしましょう。

    1. 不動産売却時の節税対策・特例について

      上記の通り、不動産売却時に所得にプラスが生じれば税金の支払いが必要になりますが、確定申告時に特例を利用することで税金を安くすることが出来る場合があります。

      詳細は以下の記事をご覧ください。



      こうした特例を利用できるケースであれば、確定申告時に必要な情報や書類を提出することで所得が0になれば当然追加で支払う税金も0になるので、活用しない手はないでしょう。



      また、ふるさと納税なども節税対策として有効な手段の一つとなるでしょう。

      ※不動産売却によって所得が増加している場合、例年に比べてふるさと納税の上限額も増額しています。

      また不動産売却に伴い確定申告を行うため、ワンストップ特例制度は利用できません。確定申告時にご自身で寄付金受領証明書を共に提出しましょう。

    2. 確定申告やその後の納税を怠ると...?

      これまで不動産売却後の確定申告やその後の納税に関してご説明してきました。

      では仮に納税を怠ってしまう、あるいはそもそも確定申告をしないとどうなってしまうのでしょうか?


      確定申告を行わなかった場合のリスク

      ⇒税務署の調査、調査の結果所得の申告漏れが発覚すると無申告加算税が課されます。

      つまり本来支払うべき税金とは別に追加で税金が発生する形です。


      また、この加算される税率は金額や状況により異なりますが、具体的には以下の通りです。

      ①税務署からの調査の事前通知前に自主的に申告した場合:5%


      ②調査の事前通知後に申告した場合:

      50万円までは10%、50万円を超えて300万円までは15%、300万円を超える部分は25%


      ③税務調査の後、申告または決定を受けたもの:

      50万円までは15%、50万円を超えて300万円までは20%、300万円を超える部分は30%


      その他、前年や前々年の所得税に関しても無申告加算税等を課されたことがある場合、10%加算される等の条件もあります。




      確定申告は行ったが、その後の納税を怠ってしまった場合のリスク

      また、仮に期限内に確定申告を行った場合でも定められた期限までに納税をしなかった場合には延納税が課されます。

      本来の期限の翌日から納付する日までの日数に応じて利息のような形で自動的に課される形となります。



      具体的な延納税の割合は、

      納付期限の翌日から2カ月を経過するまで:令和7年12月31日までは年2.4%、令和8年1月1日~12月31日までは年2.8%


      ②2カ月を超える場合:令和7年12月31日までは年8.7%、令和8年1月1日~12月31日までは年9.1%

      となります。



      確定申告やその後の納税を怠ると大きなペナルティが課されますので、注意しましょう。


      なお、税務署は不動産会社や金融機関からの情報提供・登記の移動記録などから不動産売買のあった事実を把握しています。

      無申告は税法違反となりますので、一個人の申告漏れがバレるはずがないと安易な考えは持たず、しっかりと確定申告や納税を行いましょう。

  4. まとめ

    ここまで不動産売却後の確定申告について、仕組みや申告時に必要な書類、その後の納税に関してもご紹介させていただきました。

    昨今の不動産市況を踏まえると買ったときよりも数千万円単位で高く売却できる事例もあり、その分譲渡所得も高額になるかと思われます。


    物件取得時・売却時に利用した各種サービスに関する領収書等無くさないように保管をしておくことで正確な譲渡所得の計算に繋がります。

    また、詳細は別記事の内容にはなりますが、条件に合致すれば所得を控除できる特例等もあるため売却益を手元に残すためにもしっかりと確定申告を行いましょう。



    とはいえ申告時に用意する書類も多く、専門的な内容になるため中々難しい作業になるかもしれません。


    そのような場合には費用は掛かりますが、税理士に依頼することも一つの手です。

    依頼時の費用については案件の内容や地域、各税理士事務所の料金体系等によって異なるため、相場の目安も幅がありますが、おおよそ10~20万円程度と言われています。


    決して安くはない金額ですが、不動産売却という大きな取引の後に生じる申告ですので、専門家に任せた方が書類の不足や確認不足でミスが発生して手間や費用が増えるようなリスクは避けられるかと思います。

    複数の税理士事務所を料金面やサービス内容から比較し最適な依頼先を見つけられると良いでしょう。


    なお、弊社にてお手持ちのマンション等を買い取らせていただいた場合、弊社から税理士事務所をご紹介することも可能ですので、ご興味のある方は是非ご相談くださいませ。

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